●アボリジニ● 出自:オーストラリア 別名:─ 字義:英語「原住民」「先住民」 オーストラリア大陸の先住民。 アボリジニは英語で日本語の「原住民」に当たる言葉だが、先住民という概念が 広がるにつれオーストラリア先住民という意味合いで使われる事が多くなった。 アボリジニの先祖は、5万年以上前にオーストラリアに上陸したとされるが、 その一方で12万年前とする説もあり、今尚論争の的とされる。 人種的には不明確な部分が多く、骨格的特長から南インド系のとする説や、 ポリネシア経由で海流に乗って渡来したとする説、またはアフリカからと、 やはり諸説入り乱れて論争の的となっている。 肌の色は「銅褐色」と分類される事もある。 オーストラリアの地理的条件から、人種的に他の大陸と隔絶され、 それらが混血を繰り返しながらオーストラリア全土に広まる過程で、 様々な固有文化が派生したともされ、一括りにアボリジニとはいっても、 言語だけでも250、部族は700を超えたとされている。 今日では言語的な調査から26〜28程の系統に分類される。 しかし、相互の文化的差異も多いとされる。 生活は洞窟等を住居とし、一定範囲を巡回しながら食料を得る採取狩猟型で、 ブーメランを利用し、毒物を巧みに利用し、オーストラリア固有の植物の実を取り、 地面を掘り木の根等を食べている大型の芋虫を焼いて食べるといった暮らしをしていた。 採取狩猟生活を今日でも伝統的に続けている人達もある。 主な宗教には自然崇拝が挙げられるが、遺構の中には人物画であると推察されるが 解釈不能な壁画が残るなど、不明確な部分が多い。 彼等に特有の素朴な美術様式をアボリジニアン・アートと呼ぶが、 元より様々な部族が混在し、言語的にも多様であった為、共通化された美術様式はなく、 中には余所で発見された遺構の美術様式を見た現地人が独自に真似てみて 「アボリジニアン・アート」と称しているケースもあるとされる。 スキンネームと呼ばれる一定の範囲内で共通の名前を、本来の名前とは別に持つ。 これは近親婚を避ける意図で用いられていたとされ、日本の姓に相当するが、 男女それぞれ8種、計16種しか存在しない。 1000年前(成立は2〜3万年前とする説もある)には存在していたとされる 世界最古の管楽器ディジュリドゥが使用された独自の音楽文化を持つ。 |