●アルテミス● 出自:ギリシア神話 別名:オルティア 同一:セレネ(オルティア)、ダイアナ、ブリトマティス、ヘカテ、アパイア、キュベレ 前神:クレタ島やその周辺地域の野獣をすべる豊穣の女神 字義:─ 容姿:スマートで背が高く、瞳は緑色、銀の帯に銀のサンダルを履いた少女 銀の弓矢を持ち銀の馬車に乗る 家族:父にゼウス、母にレト、双子のきょうだいにアポロン(どちらが兄か姉か不明) オリュンポス十二神の一人。 アポロンとアルテミスが太陽と月の象徴とされたのは紀元前500〜400年頃から。 それまでは太陽はヘリオス、月はセレネが司っていた。 アポロンがヘリオスと同一視される事に伴い、セレネと同一視された。 ギリシアのスパルタではセレナをオルティアと呼んだが、現在はアルテミスを指す。 アルテミスはセレネと同一視され、若い恋人達を守るという役割を持っていた。 月光で優しく恋人達の愛の語らいを助けたとされる。 この共通の職務を持つヘカテと同一視される。 全ての女性を無条件で守護してくれる代償に、女性の体内に月経を義務付けた。 狩猟を司る女神。山野の女神。野獣と関わりが深い。 生涯処女を守ると誓いを立てる。 異母姉妹であるアテナを敬愛し、彼女にならった為。 ヘスティアやアテナと共に、三大処女神と言われる。 侍女にも処女性を求める。 アルテミスの誕生にまつわる逸話は母レト項参照。 アポロンより先に生まれて、レトのお産を手伝ったので、出産を司る。 産褥の守護者であり、人間と野獣に多産をもたらす。 また女達に遠矢を射かけて突然の死をもたらす神でもある。 崇拝の中心地はアッティカのブラウロンと小アジアのエフェソス。 ブラウロンのアルテミス神殿にはイピゲナイアがクリミア半島のタウリスから 持ち帰ったとされる神像が祀られていた。 エフェソスには大神殿に数多くの乳房を持つアルテミス像がある。 収穫をアルテミスに捧げるのを忘れたカリュドン王のオイネウスは 強大な力を持つ猪(カリュドンの猪)を放たれ、畑を荒らされた。 狩りの腕はアルテミスにも負けないと自負したミュケナイ王のアガメムノンは トロイア戦争で大戦艦を率いて出発しようとしたが、風を凪にされ出撃を邪魔された。 自分の娘イピゲナイアをアルテミスに犠牲として差し出し、ようやく出発する事が出来た。 アルテミスの裸体を偶然見てしまったテーベの国の王子アクタイオンを 雄鹿の姿に変え、彼自身の猟犬に食べさせた。 タンタロスの娘ニオベがレトには二人の子しかいないとあざけった際には アルテミスは母の名誉の為にアポロンと協力してニオベの子供達を射殺した。 カリストはアルテミスの怒りによって牝熊に変えられた。 ポセイドンの息子のオリオンと意気投合したアルテミスを心配したアポロンが、 オリオンに蠍をけしかけ動けなくし、アルテミスを騙し遠くから彼女に弓で射らせた。 後で事実を知り、ひどく悲しんだアルテミスはオリオンを寒い夜の空に掲げ、星座とした。 この際、蠍とオリオンは相打ちになり、蠍も共に星座となったと言われている。 一説によると、オリオンがアルテミスの侍女達を追い回した為、女神が怒って 蠍にオリオンを殺させたと言う。 |