●インプ● 出自:イギリス 別名:インペット 同一:─ 前神:─ 字義:古英語「挿し木」「若枝」「子供」 容姿:10cm位から人間の子供位の大きさ 全身が黒い毛で覆われ、目は赤く、尖った動物の耳と蹄を持ち、 頭には角、先端が鉤型になった尻尾を持つ 日本語では「小悪魔」「小鬼」と訳され、悪魔(サタン)から分かれた小悪魔とされている。 「インプ・ツリー」と言うと、挿し木から育ったあるいは成長し既に根付いている木に 隣接した林檎の木の事で、魔術的な物があると考えられていた。 性格は意地悪で、人助けをする場合でも裏で何かしらよからぬ事を企んでいる。 しかし、悪巧みをしても失敗ばかりしてしまう。 深い森の中等に棲む。 リンカーン寺院では僧侶や聖歌隊の命を奪おうとした。 しかし天使に石にされて柱に閉じ込められた。 インプの有名な物語として「トム・ティット・トット」という名のインプが登場する。 ある所に娘と母親が住んでいたが、娘は母が焼いたパンを五つ全部食べた。 母は呆れて糸を紡ぎながら「娘は一度にパンを五つ食べた」と歌っていた所、 王の列が通りかかり、母はとっさに「娘は一度に糸を五巻き紡いだ」と言い換えた。 王はそんなに働き者ならば嫁にしたい、条件として結婚まで毎日五巻き紡ぐ様に言った。 しかし、娘は実際には糸巻きはとても苦手で、途方にくれていると、 そこへインプがやってきて、結婚式まで代わりに糸を紡いでやるが、自分の名前を 当られなかったら自分と結婚するように娘に約束させ、糸を紡いだ。 王が約束の日に娘の元へやってきて、森の中で「俺の名前はトム・ティット・トット」と 歌いながら糸巻きをしていたインプを見かけたと言う。 娘はインプの名前を当てる事ができ、トムは二度と現れなかったと言う。 |