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●イルルヤンカシュ●
出自:ヒッタイト神話
別名:ルヤンカス
同一:ティアマト
前神:─
字義:─
容姿:─
家族:─

悪の力そのものの化身である荒ぶる
イルルヤンカシュと天候神プルリヤシュの戦いには新旧二つの話がある。

古い伝説ではプルリヤシュにイルルヤンカシュは勝利した。
そこで女神イナラシュが邪龍を罠にかける為に宴会を開いた。
宴会が開かれたという事で子供と共に訪れたイルルヤンカシュにイナラシュは
葡萄酒のかめ、ジュースのかめ、その他の飲み物のかめを用意し、
彼等が帰れなくなるまで飲ませてしまう。
そこでイナラシュの愛人のフパシャシュが彼等を縛り上げ、プルリヤシュがこれを殺した。

新しい伝説ではプルリヤシュを打ち殺しその目と心臓を奪い去ったイルルヤンカシュは、
破壊と略奪に酔いしれた。
すっかり落ちぶれたプルリヤシュは貧乏人の娘を妻にして息子をもうける。
そして偶然その息子がイルルヤンカシュの娘と恋をした。
プルリヤシュはそれに乗じて息子に、花嫁の父に欲しい物はないかと尋ねられたら
「天候神の目と心臓が欲しい」と答える様にと吹き込む。
イルルヤンカシュは婿が天候神の息子だとは知らずに、天候神の目と心臓を与えた。
プルリヤシュは目と心臓を取り戻し復活し、イルルヤンカシュに復讐する。
騙されたと知ったプルリヤシュの息子はイルルヤンカシュと共に父に打ち殺された。

天候神の邪龍への勝利は新年の訪れを意味する。
この伝説が広まって、カナアンにおけるバアル・サポンとレヴィアタンの戦いや
ギリシアのテュポーンの物語となる。