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●オーディン●
出自:北欧神話
別名:オージン、ヴォーダン、ウォーダン、ユッグ
同一:メルクリウス
前神:─
字義:「激怒する者」
容姿:長い顎鬚を生やした老人の姿。つばの広い帽子やフードつきのマントで隻眼を隠す
   金の腕輪ドラウプニルをはめ、グングニルを杖の様に携える
家族:父はボル、母はベストラ、兄弟にヴィリ、ベー、妻にフリッグ
   フリッグとの子にバルドル、グンロズとの子にブラギ、
   リンドとの子にヴァーリ、女巨人との子にヘルモーズ、
   異伝によると、妻にマーライタ(モルヌトゥル)
   「新エッダ」によると、子にトール

主神。アース神族の王。詩人、王、戦士の守護者。魔術、常勝の神。
初期の神話では嵐を司る天候神で、嵐を呼び豪風に乗って空を駆け巡ると考えられた。
スレイプニルという馬を乗り物とした。
この馬は冥府に赴く事が出来たので、オーディンは死者達と話が出来る。
知恵や魔術に対し非常に貪欲な性格。
魔術の知識を手に入れる為にミーミルに片目を渡し隻眼となる。
槍で自らを貫きユグドラシルで首を吊り九日九晩断食し、
生死の境をさ迷う中で冥府からルーン文字を手に入れた。
また、見えない片目で冥界を見る事が出来る。
その為、オーディンは畏怖すべき死の神ともみなされた。
足元にはゲリとフレキという二匹の狼を従え、フギンとムニンという
二羽のワタリガラスが毎朝情報をもたらす。
オーディンは優れた変身能力を持っており、老若男女問わず変身出来た。
必中の槍、グングニルを持つ。

原初の巨人、ユミールという巨人を兄弟のヴィリ、ベーと共に殺した。
その遺体より世界と最初の人間の男女であるアスクとエムブラを創造する。
天上のヴァルホル(ヴァルハラ、戦死者の館)という館に住む。
そこにはヴァルキュリアが連れて来た死後の勇者達が宴会を開き、
きたるべく巨人族との最後の戦いラグナロクに備える。
オーディンは自らの戦力を増やす為に人間達の王を争わせ戦死者を増やした。
ラグナロクではフェンリルに呑み込まれてしまう。

10世紀の後半、北欧にキリスト教が伝わり影響力を強めるとオーディンは悪魔とされた。
熱心的なキリスト教信者だったノルウェー王のオーラヴ・トリュグヴァソンは
この悪魔の訪問を受けた。
館を訪れた不思議な老人の話にオーラヴ王は聞き惚れたが、老人の正体を見抜いた。
そして老人が持参した上等な肉を、悪魔からの贈り物として焼き捨てたという。
オーラヴ・トリュグヴァソンの後継者のオーラヴ聖王も悪魔オーディンの訪問を
受けるが追い払った。

元々は実在した人間の部族の長が、後に神として神格化された物だとも言われる。