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牛鬼(うしおに)
出自:日本→和歌山県、愛媛県宇和島、島根県、福岡県、高知県・・・等、「太平記」
別名:「ぎゅうき」とも読む
同一:濡れ女牛御前
前神:─
字義:─
容姿:牛の体にの頭。猿の頭に牛の角、虎の胴体を持つ
    牛の頭にの体。の顔に蜘蛛の様な胴体に八本の足、等多数伝わる
家族:(一説によると)妻に濡れ女

日本各地の川や山に棲む怪物。
昼の間は水中に身を潜めて眠り、夜になると突然飛び出して漁師の採った魚を奪ったり、
人間の影を食らう(もしくは舐める)。影を食われてしまった人間は死んでしまう。
人間の姿に化けて人を襲う事もあるが、水に映る姿がいつも牛鬼なので、見破れる。

和歌山県に伝わる話ではゴムの様な柔らかい体で足音を立てずに歩く。
愛媛県宇和島の牛鬼伝説は特に有名で、退治を河辺村のとある山伏に依頼した。
山伏は四国中探したが見つからず河辺村に戻ってくると小さい丘と見違う牛鬼に出会う。
法螺貝を吹いて真言を唱え、剣で眉間を突き刺し、倒れた牛鬼を幾つにも切り分けた。
七日七夜流れ続けた牛鬼の血は淵となり、高知県土佐山、徳島県白木山、
香川県根香山に牛鬼淵と名が残る。
現在でも祭礼時に牛鬼の練り物が家々を回り、病魔を背負って海に流される。
魔よけとして木製の牛鬼が売られている。
島根県の牛鬼はその地方の濡れ女の夫。もしくは同一視される。
詳しくは濡れ女の項参照。

太平記では源頼光に退治される。
貴船神社の社家は牛鬼の末裔であると言われる。
四国八十八ヶ所めぐりの八十二番根香寺には塩田教清が倒した牛鬼の写し絵と
その牛鬼の角が所蔵されている。
福岡県浮羽郡田主丸観音寺に牛鬼の手の骨が所蔵されている。
平安後期に一帯を荒らしまわっていた牛鬼を当時の住職が退治した物。
現在は三本しかないが元々は五本であったという。