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●ヴィシュヌ●
出自:インド神話、ヒンドゥー教
別名:アチユタ(不死者)、チャトゥルプジャ(四つの武器を持つ者)
    ムクンダ(解放者)、パドマナーバ(蓮華の臍)、ヤジュネーシャ(供犠祭の主)
同一:─
化身:魚(マツヤ)、亀(クールマ)、猪(ヴァラーハ)、
    人獅子(ナラシンハ)、小人もしくは侏儒(ヴァーマナ)、
    斧を持つラーマ(パラシュラーマ)、ラーマクリシュナ
    仏陀、救世主(カルキ)
    、亀、猪→ヴェーダに登場する宇宙誕生の生き物。
    人獅子→世界を悪魔から救った。
    小人→宇宙を散歩で闊歩し人間にこの世を授けた。
    パラシュラーマ→尊大な王侯や戦士達を成敗する。
    ラーマ→「ラーマーヤナ」に登場。
    仏陀→仏教を世界に広めた。
    カルキ→世界の終末に現れ邪悪な者を懲らしめ信心深い者を助ける為現れる
前神:─
字義:「広がり(vis)」、「行き渡る」、「普遍」
容姿:四腕で青黒い肌を持ち、黄色い衣服を身にまとっている
家族:妻にラクシュミ、子にカーマ

三大神(トリムールティ)の一柱。
ヴェーダ時代には単なる太陽神であったが、各地の土着の神と一体化し、
世界を維持する最高神となる。慈愛に溢れた光明の神。善き者の守護神。
行き渡るという意味を持つが、天と空と地の三界を三歩で渡り歩いたという故事に基づく。
ガルーダが乗り物。
正義(ダルマ)が衰退して不道徳(アダルマ)が世界を覆い宇宙の秩序が乱されると、
神の秩序を回復させる戦いに参加した。
ヴィシュヌは法螺貝(パンチャジャナ)、円盤(チャクラ)、棍棒(カウモダーキー)、
蓮華、シャールンガという弓とナンダカという剣で武装する。
様々な化身をとって現れた。化身は上記参照。
ヒンドゥー教では仏陀もヴィシュヌの化身の一つとされ、
最近ではガンジーや映画の人気俳優まで化身とされる。

世界が始まる前、そこには果てしなく続く乳海があるだけであった。
そこにいるのはアナンタとその上にヴィシュヌ。
ヴィシュヌが世界創造の合間に休むとき、アナンタの頭部を日除けに用いた。
やがてヴィシュヌの臍から一茎の蓮が生え、その先からブラフマーが、
額からシヴァが生まれた。
まだ神々の支配権が確立していない頃、神々とアスラが不老不死の飲料
アムリタを手に入れようとした。
この時神々はヴィシュヌの指示に従ってマンダラ山を天界に置き、ヴァスキをロープ
代わりにして山をぐるぐる回転させ原始の海乳海を攪拌させアムリタを作り出した。
この時様々な神や宝が生み出され、海中から生じたラクシュミをヴィシュヌは妻とし、
宝珠カウストゥパを首に懸けた。
また世界の終わりでもヴィシュヌはアナンタの上に寝転び破壊の瞑想をする。

ヴィシュヌ派の一説によると、ブラフマーの妻サラスヴァティーや シヴァの妻
パールヴァティは元々はヴィシュヌの妻であり、彼が他の二人に譲った。