●パールヴァティ●
出自:インド神話、ヒンドゥー教
別名:─
同一:サティ、ウマー、ディーヴィ、ラクシュミサラスヴァティドゥルガー
前神:─
字義:─
容姿:黒い肌の美しい女神
家族:父にヒマーラヤ(ヒマヴァット)、母にメーナー、姉にガンガー、
夫にシヴァ、子にガネーシャ、スカン

ある時ブラフマーヴィシュヌシヴァがアンダガという悪魔について協議していた。
三神はふと顔を上げ目が合い、視線が重なり、エネルギーが生じて女性が生まれた。
白、赤、黒に染められた彼女を三人共が妻にしたいと考えた。
彼女は自分を三人に分け、それぞれが過去、現在、未来を表す。
白い女神のサラスヴァティ、赤い女神のラクシュミ、黒い女神のパールヴァティとなった。
三人の女神の誕生話はこの話以外でもそれぞれある。

非業の死をとげたサティの生まれ変わり。
ある時ヒマーラヤに聖仙ナーラダが訪れ、娘はシヴァと結婚すると予言する。
しかし妻(サティ)を失ったシヴァはヒマーラヤの山で苦行に励んでおり、パールヴァティには目もくれなかった。
シヴァの息子以外に対しては不死身のターラカという悪魔が世界を脅かしていた為に、神々は彼の息子を生ませ様とし、カーマを派遣した。
カーマがシヴァに魅了を意味する花の矢を放ち、彼はパールヴァティに一瞬心が揺らいだ。
カーマの存在に気づいたシヴァは第三の目でカーマを灰にすると姿を消した。
自信を失ったパールヴァティは自分も苦行をし、本来黒い女神である彼女の肌が黄金色の光を放ち始め、光と美の女神ウマーとなった。
そこへ一人のバラモンが現れると苦行の理由を要求し、パールヴァティは彼に説明した。
バラモンはシヴァは陰険な性格の薄汚れた老いぼれだと言う。
彼女もそれには同意するが、それでもシヴァによって心が占められていると答えた。
するとバラモンがシヴァに変わり、彼女に求婚した。
ヒマーラヤの首都オーシャディプラスタに偉大な聖者達がやってきて聖仙アンギラスが父ヒマーラヤに娘がシヴァに求婚されたことを告げる。
シヴァはきちんと着飾り、ナンディに乗り花嫁の元へ訪れる。
ラクシュミは二人に蓮華の傘を差しかけ、サラスヴァティは祝福の言葉をかけた。

神々は早くシヴァの息子が生まれる様にと細工をした。
その為シヴァの最初の息子は妻ではなくガンジス川の女神ガンガーが生んでしまった。
ガンガーとシヴァの子カルティヤーケが悪魔ターラカを倒した。

シヴァとパールヴァティは非常に中のいい夫婦である。
ある日シヴァは妻に銘文の講義をしたが、最中にパールヴァティが居眠りをした。
怒ったシヴァは彼女を人間界に落とした。
しばらくしてシヴァは妻のいない生活に絶えられなくなる。
パールヴァティは地上で女漁師として静かに暮らした。
しかし付近の海に凶暴なサメが漁網を破るという問題が起きた。
そこで村人はサメを退治した者に村一番の美しい乙女のパールヴァティを与えるとした。
シヴァは地上に降り立ちサメを退治し、再びパールヴァティと結婚し、天界へと戻った。
実はこのサメはシヴァの聖牛ナンディの変身したものだった。

シヴァが苦行をしている時にパールヴァティがふざけて彼の目をふさいだ。
世界は暗黒になり、その暗闇から雷の様な大音量と共にアンダガ(暗黒)が生まれた。
しかしシヴァの額に第三の目が現れそれが開かれたので大事には至らなかった。
詳しくはシヴァの項参照。

7月23日はティージャ祭り。主に婦人達が二日間に渡りパールヴァティを祭る。
ラージャスターン地方が盛ん。

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