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●ケツアルカトル●
出自:アステカ神話
別名:ケツアルコアトル、エエカトル=ケツアルカトル(ケツアルコアトル)
同一:ククルカン、セ・アカトル・トピルトィン・ケツアルカトル、イッサムナ
前神:セ・アカトル・トピルツィン・ケツアルカトル(実在のトランの王)
字義:「翼ある蛇」
容姿:緑色の羽毛を持つ蛇(ガラガラヘビ)の姿
   人間の姿をとる時は円錐形の帽子と風の宝石エエカイラカコスカトル、
   貝の装身具を身に着ける
家族:親(両性具有)にオメテオトル、きょうだいにテスカトリポカ

金星をあらわし、世界を照らす太陽である。

神話では現在の世界が作られる前に世界は三回(もしくは四回)創られた。
そのうちの二つはケツアルカトルが、ひとつはテスカトリポカが創った。
四回目(もしくは五回目)に二神が協力し、天地の間に大木を立て天を支える事に
成功した事で今の世界が誕生した。
冥府から持ち帰った骨に自分の血を注いで、人類を作った。

アステカの人々に、トウモロコシの栽培方法や火の起こし方・暦等を教えた。
テスカトリポカの謀略により酒に泥酔し前後不覚になった。
そして自分の姉妹と寝てしまう。その恥辱により、彼は自らの都市トランを去った。
後にアステカ族に滅ぼされ、復帰を誓い、更に東の海に去った。
一説には東のマヤの地に逃れ、ククルカンと呼ばれ、王国を作った。

最も早く登場したのはテオティワカンのケツアルカトル神殿であり、
羽毛のヘビと戦争のヘビが交互に描かれている。
その後の神殿の壁画などでは羽毛のヘビと同時に滴や静止した水が描かれており、
水の神であったとも考えられる。
後古典期後期にケツアルカトルは風の神エエカトル=ケツアルカトルとして現れた。
彼は人間の姿で生命を与えるという役目を持ち呼吸を与えるとされた。
「フィレンツェ絵文書」によれば彼は雨雲を連れて来る風の役割を持つ。
16世紀メキシコのエスノヒストリーの記録で実在のトランの王、
セ・アカトル・トピルツィン・ケツアルカトルと同一視される。
アステカ人の伝説ではセ・アカトル・トピルツィン・ケツアルカトルはトランを出発して
東の赤い地を目指したと言われる。
これは上記のククルカンの伝説と符合している。