●無支祁(むしき)
出自:中国神話、「太平広記」
別名:巫支祁(ふしき)
同一:─
前神:─
字義:─
容姿:身体は青(もしくは黒)毛、頭と首は白毛に覆われた巨大な猿に似た姿
 体長は15m程だが、首だけ30mにも伸びる、額が高く、鼻はしわだらけで、白い牙、金色に光る目を持つ

淮河(わいか)の神で、洪水を引き起こし、や怪魔を操る力を持つ。
伝説の帝王、禹(う)が中国各地の治水を行った際にそれを妨げようとした。
河川、沼沢については知り尽くしており、応答に長け、そのうえ大変な怪力の持ち主。
禹は家臣の庚辰(こうしん)に命じて無支祁を捕らえさせようとした。
無支祁はや怪魔を操って抵抗したがついに捕らえられ、禹の前に引き出された。
禹は神々と協力しその首に鎖をつけ、鼻に輪を通して金の鐘をつけた。
淮河の北、亀山の麓に無支祁を移して治水を妨げられない様にし、治水事業を完成させた。
この時から、庚辰の子孫達は淮河の氾濫に無支祁の絵を描き厄除けにしたと言う。

後の南北朝時代に亀山の麓の淵で猿に似た巨大な怪物が発見された。
この怪物は鎖に繋がれており、これを引き上げるには数10人の若者と、数10頭の牛の力が必要だった。
これは恐らく無支祁であったと思われる。
「太平広記」によると、765年に再び大河の底から発見された。
発見した漁師は牛50頭を使って怪物を引き上げたが、再び水の中に姿を消した。

無支祁は禹につけられた銀の鎖によってその力を封じられている。
鎖の魔力が消えるのを今も海底で待っていると言う。

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