●正月(しょうがつ)
出自:日本
別名:─
同一:─
前神:─
字義:─

年神が家々を訪れ一年の健康と幸せを新しく授けてくれるとされる。
正月のあらゆる行事は年神を迎えて祭る物。

注連飾(しめかざ)りは古い年の不浄を清め、年神を迎える清浄な場所である事を示す他、
災いの侵入を防ぐ意味があり、玄関の正面に飾る。
注連飾りに添えられた裏白(うらじろ)は長寿、潔白、夫婦和合を表わす。
ゆずり葉は家系を後の世代までゆずり絶やさない、橙は家系が代々栄える事を意味する。
輪飾りは注連飾りを簡略化した物で、台所やそれぞれの部屋の入り口、水道の蛇口等の要所要所に飾る。
飾り付けは12月26日以降に行うのが一般的だが、九松(苦待つ)とされる29日と一夜飾りになる31日は避ける。

門松は天から降りてくる年神の目印となる物で、門や玄関の両脇に立てる。
注連飾りと同様で12月26日以降の29日と31日を避けて飾る。
最近では略式の物を飾る家が殆ど。
門松の形は地方によってかなり差がある。
よく見られる略式の門松は関東では松の小枝に輪飾りをかけた物、
関西では松の小枝に半紙を巻いて金銀の水引をかけた物。
年神は常緑樹に宿るとされる為松の代わりに杉や椿等の常緑樹を用いる地域もある。

初詣は恵方参りとも言われ、その年の干支によって吉方にあたる方角(恵方)の神社にお参りすると福を得ると言う。
大晦日から元旦にかけてお参りする人もいるが今は元旦の祝い膳を食べる後に行う事が多く、方角にも拘らなくなっている。
ただしお参りは松の日(7日)まで。

床の間には鶴亀や松竹梅等の御目出度い書画の掛け軸をかけ、生け花や三方にのせた鏡餅を飾る。
鏡餅の飾り方は、三方の上に半紙を置き、裏白とゆずり葉、昆布を置いて餅を重ね、橙を置くのが一般的。
地方によっては干し柿や伊勢海老を添える所もある。

元旦の朝には家族揃って祝い膳に向かう。
新年の挨拶を交わした後、年少者から屠蘇(とそ)を飲み、その後おせち料理、雑煮の順で頂く。
おせちは節供(節句)からきた言葉で、年に五回の節句の時に神様に供える祝儀料理の事だった。
神に供えた物を頂く事で神の力を頂く、と考えられた。
黒豆はまめに働く、昆布巻きはよろこぶ等、おせち料理それぞれに意味がある。
雑煮は地方や家庭によって味も材料も全く異なる。
関東では切り餅ですまし汁、関西は丸餅で味噌仕立てが有名。
北海道では鮭、広島ではかき、香川ではあん餅を入れる等地方色に富んでいる。

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