● 出自:中国 別名:─ 字義:─ アルタイ系で、モンゴル系の民族。 中国領内の内モンゴル自治区北部のフルンブイル市、黒竜江省等が元来の居住地で あり、また清代の乾隆年間(18世紀後半)には新疆に駐屯兵が派遣され、 その末裔数千人が旧駐屯地(現在のタルバガタイ地区)に分布している。 人口は約13万2千人。 清朝時代には、エヴェンキ、オロチョン、ホゥーチン・バルグ(陳バルグ)等と共に ソロン八旗に含まれ、言語、文化等の面で、他のモンゴル系諸集団とはかなり異なる 独自性を有しつつ、伝統的に自らを「モンゴルの一部」と認識してきた。 中国人民政府が建国直後、国民の民族所属を定める為に行った作業では、 ソロン八旗を構成する諸族の内、バルガが蒙古族の一部として「識別」される一方、 ダウールを含むその他の各族は、それぞれが別個の民族として「識別」され、 独立した少数民族の一つとしての地位を付与される事なった。 ダウールは固有語としてモンゴル諸語に属するダウール語を有するが、自然地理的、 人文地理的環境による影響から、従来よりモンゴル語とのバイリンガルが多かった。 民族の出自にはモンゴル分岐説と契丹末僑説のニ説があったが、 現在、中国、日本、ロシアの研究者の多くは、その語彙と伝承から 彼らが契丹貴族の大賀氏と関係が深いと考えている。 清代より、漁業、牧畜、狩猟、農耕等に従事し、かつてはオロチョン族やエヴェンキ等と 交易も行い、皮革と引き換えに生活用品、銃や散弾、酒等の嗜好品をそれらの民族に 供給した。 |