●テティス●
出自:ギリシア神話
別名:─
同一:─
前神:─
字義:─
容姿:非常に美しい女性
家族:夫にペレウス、子にアキレス

海のニンフ、ネレイスの一人。ネレイスの中で最も美しかった。
醜いという理由で母であるヘラから捨てられたヘパイストスを保護して大切に育てた。
ディオニュソスがとある王に追われて海に飛び込んだ時、彼を匿った。

テティスは非常に美しかったのでゼウスポセイドンも彼女と結婚しようとした。
しかしテティスの息子は必ず父より偉大になるという運命にあった。
この事を知っているのはプロメテウスだった。
彼は自分をスキュティア(もしくはカウカソス)山から解放しない限り秘密を明かさないとゼウスに言った。
一説によるとテミスがこの予言を知っていたとされる。
ゼウスは自分を超える子を産むのが誰なのか知りたい為プロメテウスを解放した。
そして危うく自分がウラノスクロノスと同じ目に合う所だった事を知る。
ゼウスはテティスを大した事が無い人間の男と結婚させようと考えた。
そこで選ばれたのがプティア王ペレウスだった。
テティスは寿命に限りのある、どこの誰ともしれない人間との結婚に納得せず、ペレウスから逃げ回った。
しかし洞窟へと追い詰められて捕まえられる。
そこでテティスは猛獣や怪物、炎や水に変身してペレウスから逃げようとする。
予めケイロンの助言を受けていたペレウスは最後までテティスを離さず、ついに二人は結婚する事になった。
ペレウスとテティスの結婚式はオリュンポス山で行われた最も盛大な祝祭であった。
しかし招かれてもいないのに争いの女神エリスがやって来た。
この結婚式で投げ込まれた黄金の林檎とその争いは後のトロイア戦争の原因になった。

テティスはペレウスとの間に英雄アキレスを産む。
テティスは息子を冥府にある神聖な泉に浸し、彼の全身を不死身にした。
その時掴んでいた踵は泉の水に触れず、その場所だけ不死身にならなかった。
これがいわゆる「アキレス腱」である。
テティスはアキレスに対しはなはだ優しい母親であった。
スキロスの宮殿で息子を戦争からかくまおうと言う努力が失敗すると、彼女はしばしばアキレスの戦場を訪れた。
アキレスが親友パトロクロスの死後自殺しかねない気分でいた時、息子を優しく慰めた。
ヘパイストスに頼んで、アキレスの為の新しい鎧を作ってもらった。
更にその日の後刻、アキレスを溺れさせようとしている川の神スカマンドロスに真赤に焼けた石を投げ込む事を求めた。

アキレスの死後、テティスは息子の魂を渡してくれる様ハデスに要求した。
海の上に島シウケ(白い島)を浮かばせると、その上にアキレスの遺骸を安置した。
そして死者の伴侶としてパトロクロスとかつての恋人ポリュクセネもそこに葬った。
後にペレウスが死んだ時もその遺骸を求め、アキレスの遺骸と並べてシウケに葬り、そこを毎日訪れたと言う。

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