●トロイの木馬(もくば)
出自:ギリシア神話
別名:─
同一:─
前神:─
字義:─
容姿:木製で、中に人が隠れる事が出来る巨大な木馬

トロイアを陥落させる決め手となった装置。
トロイア戦争で、ギリシア勢の攻撃が手詰まりになってきた時、オデュッセウスが木馬を作って人を潜ませ、
それをトロイア市内に運び込ませる事を提案した。
参加して日の浅いネオプトレモスとピロクテテスは戦いに飢えていたので反対したが、戦いに倦んでいた他の諸将は賛成した。

大工の技に長けていたエペイオスが木馬の製作を指揮する事となった。
エペイオスはイデ山から木を切り出させ、それを材料に木馬を組み立てた。
木馬作成の過程は、トリピオドーロス「トロイア落城」に最も詳しく書かれている。
木馬が完成すると、ネオプトレモス、メネラオスオデュッセウス、ディオメデス、ピロクテテス、小アイアスらが乗り込んだ。
そして最後にエペイオスが乗り込んで扉を閉じた。
木馬を市内に運び込ませる為、誰か一人トロイア勢に顔を知られていない者が残り、敵を欺く必要があった。
この役にはシノンが立候補した。
残りのギリシア勢は寝泊りしていた小屋を焼き払い、船で近くのテネドス島に移動した。
夜が明けると、トロイア勢は、ギリシア勢が消え、後に木馬が残されている事に気付く。
ギリシア勢が去り勝利したと信じたトロイア勢は、市内から出てきて木馬の周りに集まり、シノンを発見した。
トロイア勢はシノンを拷問し、ギリシア勢の行方や木馬の作られた経緯を問い質した。
シノンは正しい事を言わず、ギリシア勢は逃げ、木馬はアテナの怒りを鎮める為作ったとしてトロイア勢を欺き通した。
欺かれたトロイア勢は木馬を引いて市内に運び込んだ。
ラオコーンとカッサンドラが市民達を諌めたが、市民達は聞き入れなかった。
門は木馬を通すには狭かったので、壊して通した。そして、アテナの神殿に奉納した。
トロイア勢はその後、市を挙げて宴会を開き、全市民が酔い眠りこけた。
守衛さえも手薄になっていた。
市民達が寝静まった夜、木馬からオデュッセウス達が出てきた。
計画通り松明でテネドス島のギリシア勢に合図を送り、彼らを引き入れた。
その後ギリシア勢はトロイア市内を暴れ回った。
酔って眠っていたトロイア勢は反撃する事ができず、アイネイアス等の例外を除いて討たれた。
トロイア王プリアモスもネオプトレモスに殺され、トロイアは滅亡した。

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