●釣瓶下(つるべおろ)し●
出自:日本→京都府→亀岡市(旧曽我部村、大井村)、八木町(旧富本村)、滋賀県→彦根市、岐阜県、愛知県
別名:釣瓶落とし
同一:釣瓶火
前神:─
字義:─
容姿:「百物語評判」によると、怪火の中に顔

夜、かやや松の大木の下を通ると釣瓶や首が落ちてきて、その人を引っ張りあげて食べてしまう。
京都府亀岡市では「夜なべ済んだか、釣瓶おろそか、ぎいぎい」と言いながら降りてきたと言う。
滋賀県彦根市では、木の上から通行人の頭に釣瓶を落とすと言われた。
岐阜県では釣瓶落としと呼ばれる。

怪談本「百物語評判」によると、京都西院のほとりで大木の枝から鞠の様な火が上下するのを見た話が載っており、これを釣瓶下しとしている。
釣瓶下しは大木の精で、陰陽道の木生火の理から火となった物であると言う。
こうした事が若木に起こらないのは、まだ木の気が満たず、火の気を生ずるに至らない為である。
陽火は物を焼くが、陰火は物を焼かず、水等で消そうとすると余計に燃え上がるので、火を投げ灰をかければ防げる。
釣瓶下しは陰火なので物を焼かず、雨の火に良く見えると言う。
「百物語評判」に描かれた怪火を鳥山石燕は「画図百鬼夜行」に釣瓶火として描いている。
柳田国男「妖怪談義」によると、近畿、四国、九州地方に出現する妖怪とされる。

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