● 出自:日本→大阪府→茨木市、「御伽草子」「平家物語」「源平盛衰記」、謡曲「茨木」 別名:羅生門の鬼 同一:─ 前神:─ 字義:─ 容姿:鬼 平安時代に平安京に現れた鬼。酒呑童子の弟子。 「平家物語」においても一條戻橋で女に化けて渡辺綱を騙し、やはり腕を切られる鬼の 話が載っているが、この時点においては「茨城童子」の名は与えられていない。 堀川にかかる一条戻橋の上で女に化けていた。 渡辺綱が馬に乗せてやると、「我は愛宕山に行きたし」と叫ぶや鬼の姿になって 綱の髪を掴み飛び上がり、愛宕山に飛び去ろうとした。 綱は名刀髭切で鬼の腕を切って難を逃れた。 綱は陰陽師安倍晴明に指示を仰ぎ、腕をからびつに収め七日間の忌みごもりを行った。 それから数日後、鬼は養母に化けて綱の屋敷にやってきた。 忌みごもりの最中である為に会おうとしない綱に養母は綱の無情を訴えた。 仕方なく折れた綱は養母を屋敷へ招きいれ、酒宴で歓待した。 そこで養母は鬼の腕を見せてくれと所望し、それに応じた綱の隙をついて 保管していた腕を奪うと、鬼の姿になり破風を伝って素早く外へ出て、彼方へ消えた。 以来、渡辺家の家屋には破風を造らないのが習わしになったと言う。 切り落とされた手についていた指は四本であったと言う。 大阪府茨木市に伝わる話によると、茨木童子は農民夫婦の間に生まれた鬼子で、 生まれた時から既に肩までたれた髪と歯を持っていた。 その為、両親に捨てられたが、運良く床屋に拾われて育てられた。 成長すると床屋の修行に励んだが、ある時客の頬を誤って剃刀で切ってしまった。 その血をぬぐってなめた所、とてもおいしかったので、味をしめてわざと客を傷つけた。 血をなめ続けているうちにとうとう本当の鬼となった。 その後、京都へ行って酒呑童子の弟子になったのだと言う。 酒呑童子が源頼光達に殺されたのを見た茨木童子は頼光達に襲い掛かった。 頼光をかばった綱が茨木童子に押し倒されている隙に、頼光は茨木童子の首を刎ねた。 |