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●鬼●
出自:日本
別名:─
同一:─
前神:()
字義:隠れるという意味の「(おん)もしくは(いん)」が訛った物
    神を守護する巨人の精霊という意味とも
容姿:人間の身体に動物の頭のものが有名
   大きな身体、頭には角、鋭い爪がある三本指を持ち、剛毛が生えた姿

仏教の地獄で亡者達に罰を与える怪物の獄卒達、又その様に恐ろしげな怪物の総称。
天狗、河童とあわせて日本の三大妖怪とされる。
身体に色がある赤鬼、青鬼、一つ目の鬼等種類は豊富。
一般的なイメージの牛の角を生やし、虎の皮のふんどしをしめ、
鉄の棒を持った大男は室町時代以後に作られた。
北東の丑寅の方角を悪霊の集まる鬼門としたことから、牛の角と虎のふんどしが
鬼のシンボルになった。
鬼の体色については外国人の肌の色に由来にする説や、
金属の種類を色で示したものとする説等がある。
赤鬼の赤は鉄、青鬼の青は銅、あるいは丹砂、黒鬼の黒は鉄塊のコロ、といった風に。

地獄だけで無く、人里離れた山の洞窟に棲み、町や村を襲うという話も多い。
剛力、不死に近い頑丈さ、変身、飛行能力があり、また人を食べる物が多い。
そして法力と強い英雄、節分で有名な豆、桃が苦手。
豆は中国のある人物が穀類によって疫病の鬼を追い払った故事から。
桃はある神が鬼を桃の木に縛りつけ虎に食わせたことからきている。
鏡を見ると逃げてしまうという説もある。

起源は諸説ある。
山に集まった祖先の霊が祖霊となり、これを崇めた山岳信仰に基づき誕生した。
山の神は「天津神」に征服されるが、それに反抗したものが鬼になったとも。
また、里の人達と同化せず山で暮らした人々をもととするという話も。
民俗学者若尾五雄の説によれば、鉄や銅を掘る人、鍛冶師が鬼なのだという。
その他に、雷、悪党の横行、疫病などに人格を与えた物だとされる。
手や死体のミイラ標本が多く残されている。
最古の鬼の絵は飛鳥時代に描かれた法隆寺の玉虫厨子と言われる。
そこに描かれた鬼は裸体にふんどし姿で角はなく羽が生えている。

有名な鬼の例として酒呑童子安達ヶ原の鬼婆、鬼女紅葉、鈴鹿山の大嶽丸、
生剥夜行さん等多数伝えられる。