● 出自:アーサー王伝説、ユダヤ教、キリスト教 別名:─ 同一:─ 前神:─ 字義:─ 容姿:─ 新約聖書の中で、主の晩餐の際イエスは杯を指し「人の為に流される私の血、 契約の血である」と十二使徒に向かって言い、その後ゲツセマネでは 怖れに苦しみながら「この杯をわたしから取りのけてください」と神に祈っている。 ここで杯は、イエスの死によってなされる契約の象徴とされている。 つまり、イエスの犠牲によって人々の罪が許されるという部分を指していると言える。 そして実在するかどうかもわからない杯自体は、その後様々な聖性を加えられていき、 復活、再生、不死、豊饒などの奇跡をおこすとされるようになっていく。 「聖杯探求」の物語群の中で、騎士たちが探し求める聖遺物。 イエス・キリストが最後の晩餐で用い、更にアリマテアのヨセフがキリストの血を 受けた杯だと物語の中では位置づけられている。 「アーサー王の死」等によると、アリマテアのヨセフの子孫によってロンギヌスの槍等と 共に保管されていたが、ベイリンによるペラム王への「悲しい一撃(災いの一撃)」の後、 不毛の荒れ地が周辺の国々に生まれると共に聖杯は行方不明となる。 ガラハドが円卓に座った日に、アーサーの宮廷に姿を現し、奇跡の一端を見せる。 聖杯の真実を見つけだすべく、円卓の騎士たちは探求の旅に出る。 半数の騎士達が命を落とす中、ガラハド、パーシヴァル、ボールスの3人の騎士が 聖杯に到達し、ガラハドが聖杯を獲得する。 聖杯は騎士達と共にサラスの地に渡る。 1年後、ガラハドの魂と共に、聖杯とロンギヌスの槍は天へ昇り姿を消す。 もともと聖杯はパーシヴァルの物だったが、探求の役割はガラハドに移り、 パーシヴァルはガラハッドの祖父ペレス王に姿を変えている。 |