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●ヤマ●
出自:インド神話、ヒンドゥー教仏教、「リグ・ヴェーダ」「ブラーフマナ」「マハーバーラタ」
別名:─
同一:焔摩天(えんまてん)閻魔王(えんまおう)
前神:─
字義:─
容姿:「ブラーフマナ」によると、緑色で四つ目の犬を二匹従える
家族:父にヴィヴァスヴァト、兄にマヌ、双子の妹(また妻)にヤミー

ヤマとヤミーは最初の人類の夫婦であった。
そして、このヤマは初めて死んだ人間でもある。
ヤマは世界を探索する為に旅に出て、死の道を発見した。
その結果、人間は死ぬ様になってしまった。
死者を見守る者としてヤマは元々親しみのある者だった。

しかし「ブラーフマナ」によると、ヤマは不吉で破壊的な力を持っている。
人間を罰し恐ろしい風貌に変わり、罠と棍棒を持つ。
ヤマが従える二匹の犬は時々世をうろつき、死者のを集めて回った。
肉体を離れたはヴァイタラニー川を渡り、死者の国に赴き、裁きの館にやってくる。
そこでの生前の行いを報告し、極楽へ行くか、地獄へ行くか、生まれ変わるかを
ヤマが裁いて言い渡す。
「マハーバーラタ」によると、献身的な妻サーヴィトリーがヤマを説き伏せ、
夫のサティヤヴァットを返してもらうと言う物語がある。
ヤマはサーヴィトリーが夫に寄せる愛に心打たれ、夫を生き返らせろと言わなければ、
願いを聞き届けると約束した。
そこでサーヴィトリーは夫との間の子供がもっと欲しいと願った。
ヤマは約束を守って、夫を送り返さなくてはならなくなった。

仏教逸話によると、ヤマは元々はインド北西の都市ヴァイシャリの王だった。
恐ろしい戦いが続く中で、王は地獄の統治者になりたいを願った。
ヤマとして生まれ変わった王は、8人の武将と8万の兵を連れ地獄へ向かった。
地獄でヤマは日に三回、溶けた銅を口の中に流し込まれる。
この罰は、ヤマの行いが全て償われるまで続く。
同時にヤマは人間に老いと病という苦しみを課す。
そうする事によって、人間に不道徳な生き方をさせない為だ。
チベット仏教では、ヤマはヤミーを伴っている事が多い。