●ブラフマー●
出自:インド神話、ヒンドゥー教
別名:ブラフマン
同一:梵天
前神:─
字義:─
容姿:四つの頭と四本の手を持つ。顔は四方を向く。身体は赤い
 手にはガンジスの水を収めた水壷、バラの花輪、聖典ヴェーダ、数珠(弓)、櫛等を持つ
 王冠をかぶり、髭を生やした老賢人
 蓮の上に座る姿でも描かれる
家族:妻にサラスヴァティ、曾孫にラーヴァナ
 「バーガヴァタ・プラーナ」によると、子にマヌ

三大神(トリムールティ)の一柱。
宇宙の根本原理が擬人化した創造神。
瞑想の間に宇宙の全ての物質的要素を生み出す。
彼の口から神々とバラモン階級が生まれ、足から大地が、目から太陽が、脇から四季が生まれた。
祭事や学問を司る。ハンサを乗り物とする。
メール山頂中央にあるマノーヴァティーという都に棲む。
ヒンドゥー教の教えにのっとって苦行をつんだ者に恩恵を与える。
時にその対象は神や人間のみならず、アスラにも与えた。
ラーヴァナは厳しい苦行を積んだので、何でも願いを一つ叶えてやるとした。
そこでラーヴァナは神にも悪魔にも殺される事が無い身体を要求した。

神話が形成された初期にはブラフマーは最高神。他の神々を凌駕していた。
しかし、理念上の神格と考えられた為に神話も少ない。
現在ではシヴァヴィシュヌとは比較にならない。
紀元千年紀初期にはブフラマー信仰が最高に達し、崇拝の中心となった。
シヴァヴィシュヌの勢力が増すと、最高神の地位を取って代わられた。
今日では、ブラフマーを祀った寺院はインドに一つもない。
宇宙を創造し、その維持をヴィシュヌに任せた為に現世ではその姿を現さないとされる。

ヴィシュヌ派の説では、ブラフマーは彼のへそから生えた蓮の花から生まれた。
また、ブフラマーの妻サラスヴァティは元々はヴィシュヌの妻であり、彼がブラフマーに譲ったと言う説もある。

ある時ブラフマーとシヴァが宇宙の創造者は誰なのかについて論争を始めた。
どちらも引かず、ついにシヴァが激怒して全身が憤怒に包まれた。
他の神々はそのシヴァを見て、バイラヴァ(恐ろしき殺戮者)と呼んだ。
バイラヴァはブラフマーの五つある頭の内の一つを切り落とした。
現在ブラフマーが四頭なのはこういう理由である。

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