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●リリス●
出自:ユダヤキリスト教
別名:リリト、リリトウ、ベリア、ベリティリ、夜の女王
同一:リリム
前神:イタリアエトルリア族の女神レイント
字義:下記参照
容姿:コウモリの羽と蛇の身体を持った髪の長い女性の姿
家族:夫にアダム(すぐに破局)、悪魔(またはアダム)の間にリリムや多くの悪魔
   (一説によると)父にルシファー

アダムと共に土から作られた最初の女性。
元々はカナン人に信仰されていた女神で、ベリアまたはベリティリと呼ばれていた。
農耕民や遊牧民に崇拝され、作物の豊穣や家畜の繁殖を司り、奔放かつ好色とされた。
バビロニアの伝承に登場していた女性とされるが、ユダヤ経典タルムードに登場し、
人々に知られるようになった。

リリスの前神はイタリアに栄えたエトルリア族の女神レイントであるとされ、レイントは
冥界の入り口で霊を受け止める、冥界の門を擬人化した顔のない女神であった。
冥界の門は女性の陰部として考えられ、冥界に入る事は女神との交合と考えられた。
女性の陰部と百合の花が同一視され、百合=リリー(LILIY)がリル(LILU、蓮の花)に
転じ、そこからリリスという名の女神を生んだと言われている。

リリスはアダムとの間に多くの悪魔を生んだが、アダムに従わずに紅海へと去った。
男性上位の精生活に耐えられずアダムに従わなかった、もしくはリリスが淫乱で、
アダムと相性が合わなかったと言われ、どちらとも言えない。
リリスは人間ではなく、その為アダムから引き剥がされたという説もある。

カバラ教典光輝の書では深い水底から生まれたアダムの最初の妻で、
イヴが創られると追放され、夜の女王になったとされた。
他にもゲーテのファウストでは金髪の美しき誘惑者として、
G・マクドナルドの小説リリスは地獄の女王として登場する。

イヴにリンゴを食べる様唆した蛇の正体であるとも言われ、ルシファーの実の娘とされる。
イヴを誘惑した為に神の怒りを買い、手足を奪われた。
アダムの元から去ったリリスを主の命令で三人の天使が探し出し、毎日リリスの子を
100人殺すと脅すと、許しを請うて、その代わりに人間の赤ん坊を苦しめる力を得た。
実際に100人ずつ殺されたという説もある。
天使の名前が書かれた家には近づかないと誓ったので、紀元前8〜7世紀の
ヘブライやカナンでは、そういう魔除けのまじないがあった。

またリリスは娘リリムとも混同され、夜寝ている男性をたぶらかして淫らな夢を見させ、
実際に交わっては、血や精気を吸い取るとされた。
とり憑かれた男性は衰弱していき、やがて死ぬという。
流産をもたらしたり、子供をさらって食べるとも言われる。
美しい女性や、の様に夜に徘徊する動物に変身出来るとされた。
スペンサーの七つの大罪の対応悪魔のリストによると、「怠惰」を司る。