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●サタン●
出自:ユダヤ教キリスト教
別名:サタン・エル、虚無の父
同一:赤き竜ルシファーベルゼバブベリアルサタナエルアザゼルイブリース
悪魔大王アーリマン、(グノーシス派によると)メタトロン
前神:─
字義:「敵対者」「告発する者」
容姿:頭から角を生やし頭の後ろにも顔を持つ
悪臭ただよう体毛を持ち、身体は紅蓮色
家族:双子の弟にミカエル

サタンとは本来「敵対者」を意味する普通名詞であった。
旧約聖書に登場する「サタン」という単語の内、過半数は「敵」という意味で使われる。
その後、神の僕で、人間を悪に誘惑して人間の信仰心を試す天使として登場する。
しかし新約聖書ではサタンは自ら悪行を働いている。
サタンは悪魔一人を指す固有名詞ではなく、悪魔の階級を指すという説もある。
階級説では「サタン」の階級の一人がルシファーであるとしている。

サタンはかつて熾天使(セラフ)であり、その中でも最も偉大な存在であった。
天使であった時の名前は「サタン・エル」。
かつての栄光と輝きを例える際に「ルシファー」という単語を使っている。
彼は神の副官であり、天界で最も頭が良かった。
しかし神が人類を創り、人類とキリストを通じて繋がりを持とうとした事を嫉妬し
反旗を翻した。原因は嫉妬よりも傲慢さであったとも言われる。
サタンは堕天させられた復讐として、アダムイヴを堕落させる事にした。
地上における楽園の場所がわからなかったサタンは身分の低い天使に変身して
ウリエルに道を尋ね、彼は親切にその場所を教えてしまった。
楽園へと飛び立ったサタンを見て正体を見抜いた。
しかしサタンが楽園に侵入するのを防ぐ事が出来なかった。
そこでガブリエルは天使を数人派遣しサタンを探させた。
ゼポンとイシュリエルに見つかったサタンはその時ひき蛙(蛇)の姿で眠っているイヴ
耳元に誘惑の言葉を囁いていた。イシュリエルが槍で突くと、サタンは元の姿へ戻った。
しかしすでにイヴの心には悪が芽生えてしまっていた。
その後もサタンはありとあらゆる手で二人の幸せを邪魔しようとした。

サタンが人間を誘惑しようとする時は美しい天使や人間に変身する。
この時良く使う道具として、金、権力、性欲がある。
サタンに騙された者は本性を出したサタンの恐怖に怯えながら地獄に引きずりこまれる。
一説にはサタンはいずれ救われて、再び神の元に戻るとも言われている。

サタンとルシファーが同一視されるのは、ルカの福音書による。
書中でキリストが
「私は、サタンが稲妻の様に天から落ちるのを見ていた」と言っている事から。
ヨハネの黙示録に登場するサタンは赤き竜とされる。
サタンは天使によって千年間の間縛られていた。
世界の終わりに大空に現れ、7つの頭、7つの冠、10の角を持ち、長い尾を
星々にひっかけて地上に落とす。そして神に戦いを挑み、敗れる。

ミルトン「失楽園」によると、天使であった時の名前は永遠に消去されており、不明。
サタンはただ一人自発的に神に背いた者である為、決して救済される事はない。
ダンテ「神曲」によると、地獄の底で半身を氷漬けにし罪人を食べている巨大な姿。
ビンスフェルトの七つの大罪の対応悪魔のリストによると、「憤怒」を司る。